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平成23年民法4問目

本日は,リクエストがありましたので,民法4問目をやってみたいと思います。


「Bは,Aから不動産を購入して,AからBへの所有権の移転の登記をしたうえで,Cに当該不動産を売却した。他方,AはBの詐欺を理由にBとの売買契約を取り消した。」という事例におけるAとCとの間の法律関係について,「Cが,Aによる取消前に当該不動産を譲り受けていた場合には,遡及効を制限する規定によって遡及効が制限されるとき以外は,取消しの遡及効を貫徹すべきである。」との立場を前提としつつ,CがAの取消後に当該不動産を譲り受けていた場合には,①「取消しにより,BからAへの新たな物権変動が生じ,Cは民法第177条の第三者に該当し,Aは登記をしなければ,不動産の所有権の復帰をCに対抗することができない。」と構成する見解と,②「取消後,Aによる登記の取戻しに懈怠がある場合には,民法第94条第2項を類推適用し,外観法理によりCが保護される場合がある。」と構成する見解がある。


次の(ア)から(オ)までの記述のうち,①の見解に対してのみ妥当する批判として適切なものの組合せは,後記(1)から(5)までのうちどれか。


(ア)Cの譲り受けが取消の前か後かによって取消しの効果についての法律構成が異なることは,論理的に問題である。

(イ)取消後に譲り受けたCに対してAが常に取消しの効果を対抗することができるとする結論は,妥当ではない。

(ウ)取消後に譲り受けたCが,AB間の売買契約が取り消されたことを知っている場合であっても保護されることとなるのは,妥当ではない。

(エ)Aが取消しをしながら登記をB名義で放置しておいた場合と,取消しそのものをしないで放置しておいた場合とで,AがCに不動産の所有権を主張することができるか否かの結論が異なる余地があるのは,妥当ではない。

(オ)Cが取消前に譲り受けた場合には,Cが登記をしなくとも保護されるという結論は,妥当ではない。


(1)アイ (2)アウ (3)イエ (4)ウオ (5)エオ



この問題,先に私が本試験を受験したとした場合にどのように解答するか書いておきますね。

まずサラッと肢をみます(読みます)。しっかり考えなければならなそうな(ア)はとりあえず外す。次に(イ)。『常に』取消しの効果を対抗できるなんて論外。

この段階で,(イ)の肢がある(1)と(3)を切ります。

続いて(ウ)。①の場合,通常の物権変動としての対抗を問題としているので,悪意であってもCはAに対抗できます。これに対して,②の場合には,民法94条2項の類推適用としているので,結論が異なりますよね。なので,これビンゴ。(ウ)のない(5)を切ります。

最後に2肢ありますが,問題文の短い(オ)の肢を先に検討します。これは前提に対して批判しているわけですから,取消前については①も②も前提の立場は取っているので,両者に対する批判。ってことで,(オ)は簡単に切れます。

以上で,(2)しか残りませんので,これが解答となります。

この問題,(会場で)まともに全てを取り組んでいこうとすると,混乱してしまうかもしれません。組み合わせの場合には,どんどん切っていって,必要最小限の検討で抑えるのがベストだと思います。私は,この問題しか今解きませんでしたので,実際どのくらいかかるかわかりませんが,正答までに要した時間は3分程度。おそらく,本試験でもその程度で解ける部類の問題だと思いました。


さて,では,一肢ごと検討してみましょう。

と,その前に,まず,頭の中に叩き込んでおかなければならないこと。それは,

①②ともに取消前については同じ立場。取消後において変わってくるという点です。この点が整理されていないと,正答するのは困難となるかもしれません。

(ア)

①については,原則,取消前登記不要⇔取消後登記必要
②については,原則,取消の前後を問わず前提立場

以上により,アの肢の法律構成が異なってくるのは①の見解ですよね。②は原則的には法律構成は同じです。

説明不足している!そんなんじゃわからん!!って方は,再度しっくりしない点をコメントしてください。

(イ)

こちらの肢は(ア)の肢と違い,取消後のみを問題にしています。

①も②も,文字通り常に取消しができるとする見解ではありませんよね?なので,これはちょっと論外のような気がしますが,なにか疑問点があったら都度コメントくださいね。

(ウ)

こちらは(イ)の肢同様,取消後のみを問題としております。

①については,通常皆様が勉強している対抗関係の基本,つまり,善意だろうが悪意だろうが,先に登記を備えた方が勝ち!ということですよね。ということは,この(ウ)の肢,CはAB間の売買契約が取消されたことを知っていても①だと保護されてしまうことになります。これに対して,②では94条2項類推適用の見解ですからそのようなことにはなりません。したがって,まさにこれは①に対する批判としての肢となります。

(エ)

まず,取消しをしていない場合においては,A⇒B⇒Cへと物権変動しているわけですから,どの基本書にも出ている前主・後主の論点ですよね。この場合,①②どちらの見解に立ったとしても,AはCに対して対抗することはできません。

次に,取消しをしながら放置の場合については,①の見解に立てば対抗問題となりますから,登記がBにある以上,AはCに対抗できないということになり,後半部分と同様の結論となります。一方,②の見解では94条2項の類推適用の見解なので,Cが保護されなければAが対抗できる場合があると書いてあるので,異なる結論になる可能性があります。したがって,この肢は②に対してのみ妥当する批判ということになります。

(オ)

これは取消し前についての話。取消し前については①も②も同じ見解なので,こんな肢はみた瞬間切れる肢ですね。


以上です。もし,不明な点あればコメントお願いします。

この問題物権変動の論点が盛り込まれた復習のやりがいのある問題だと思います。他の論点もきっちり抑えていけるような復習のやり方をしてみましょう!

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コメント

ありがとうございます。

今さっき外出からかえりました。


さっそくありがとうございます。

実際の本試験の問題をみたら・・・

あたってました(汗

すんません


1肢ごと過去問分析初めてからわかんなくなったようなんですが・・・
アドバイスのおかげで
よくわかりました。

私は、前提同じに引きずられ第1節の方ばかり着眼してます

第二節の文末に「cが保護される場合がある」を読み飛ばしてました。

②については,原則,取消の前後を問わず前提立場

後もそうなんです・・・前提立場で、場合があるんですね!

読み飛ばして

①をきかれているから①のみに力が入って②を雑に読んで
理解があまいようです。


しかし・・・


さすがです~
ポイントついてもらったら

あっという間に・・・カワイイ問題に早変わり~


ありがとうございました!


感謝!!

Re: ありがとうございます。

お疲れ様です!

私は,本試験で問題解いていないので,なんとも偉そうな記事になってしまいましたが,
この手の問題は『落ち着いて』それから,なにが原則でなにが例外なのか?
これさえ押さえていれば,猿さんであれば難なく解ける問題だと思います。

もしかしたら,答練や模試でも,そういった経験されることが今後あるかもしれません。
そんなときは,良い練習の機会だと思って,『落ち着いて』考えてみてください。

答練だから…模試だから…(捨て問だ)っていう投げやりな気持ちで受講しないでください。

結果的に捨て問であったとしても,その場は本試験と同じく最後まで諦めずに解くべきです。

とはいっても,少しでも時間がかかりそうだと感じたら,最後に解くべきですよ。

その辺のさじ加減は,自分自信でしかわからないので,どんなに疲れていても,意識してやってみてください!


頑張れ!

おはようございます

いい企画ですね。

どう読むか、いかに時間短縮するかなど参考になります。

午前科目にやられたワタシには、助かります。

あ、『国語の問題の解き方』もいずれお願いします(`∇')

Re: おはようございます

うみさんの返信コメントでも書きましたが,
これからの時期は勉強方法よりも,
どうやって正確に早く正答できるかという点を強調して書きたいと思いますv-222

受験からずいぶん遠ざかってしまっているので,
わからない問題が出てこないかちょっと不安ですv-356

ためになります

この問題は
なぜか(ア)を軸にしていました
法律構成が異なるのは①かな・・・って感じ

あと(イ)を「これは違うだろ」と切って
(ウ)は知ってる場合でも保護されるのは登記で保護される①かな・・・と

後の肢は無印なので読んでなかったかも・・・

う~ん・・たまたま当たっていたが、
こういう思考回路でいいのだろうか・・・

Re: ためになります

検討過程は人それぞれですよね。

でも,悩んで先に進むのと,すっきりして先に進めるの,
これは本試験の正答率に大きく影響してくると思います。

とはいえ…

答練・模試の時は,じっくり全肢検討すべきだと思うので,
記事はあくまで,『本試験限定』の思考回路という感じで読んでいただけると幸いです☆

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プロフィール

しゅう

Author:しゅう
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ブログには仕事関係の記事はあまり書かないと思います。
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